【不倫(ふりん)】とは、本来は倫理から外れたこと、人の道から外れたことを意味するが、近年では特に、結婚制度から逸脱した男女関係の意味で使用される。
不倫は配偶者のある男や女が、配偶者以外の異性と恋愛し、性交を行うことをいう(配偶者のいない男や女が、配偶者がいる異性と恋愛し、性交を行う場合も含む)。
古くは「姦通」「不義密通」といった。(くだけた表現では「浮気」と呼ばれる。この言葉は未婚の恋人同士でも使われる。)
1983年に放映されたTBSのテレビドラマ「金曜日の妻たちへ(略称:金妻)」が「不倫」という言葉を「男女間の不義密通」という意味に変化・固定させたきっかけと言われている。
それ以前のテレビドラマでは「よろめき(主として、夫のある女性が、他人の男性に心を寄せる)」という言葉が一般的に使われていたが、「金妻」以降はほぼ死語になっている。
なお「よろめき」は三島由紀夫が1957年に発表したベストセラー小説「美徳のよろめき」に由来する。
語誌的には、(名詞以外の用法としては)形容動詞の語幹として「不倫な/不倫だ」といった使い方をするのが本来の用法であり、サ変動詞の語幹として「不倫する」という形では使われることはなかった。つまり、従来「不倫」とは様子・状態を表す言葉であり、行為・動作を表す言葉ではなかったといえる。
しかし「金妻」辺りをきっかけとして「不倫する」という言葉が世間で広く使われるようになり、現在では一部の辞典に載るまでになっている。